行政書士が解説!日本人の配偶者等ビザ 質問書と理由書の書き方
日本人の配偶者ビザを申請する際、質問書は必須の書類です。
質問書には、夫婦の年齢や結婚歴、結婚に至った経緯、夫婦間の共通言語、親族の情報など、記載項目がたくさんあります。
穴埋め式に記載できる箇所もありますが、交際経緯などは1000~2000字の文章で記載する必要があります。
文章で記載する箇所については、別紙にして詳しく書くことが多いです。ご夫婦の状況によって、書くべき内容や文量が異なります。ですから、書くべきこと、書かなくてよいことを正確に判断し、丁寧に分かりやすく書いていく必要があります。配偶者ビザが許可になるか、不許可になるかを大きく左右する重要な書類です。
当事務所では、外国人のビザに関するこうした書類を2000件以上書いてきました。こうした経験をもとに、質問書および別紙に書く内容について、解説します。
質問書1ページ目
1ページ目では、特に難しい部分はないですね。ありのまま正確に記載しましょう。特に、外国人のスペルは間違えやすいので、注意してください。
なお、申請人とは、外国人のことです。
そして、配偶者とは、日本人のことです。
間違えないように注意してください。
質問書2ページ目
このページは、別紙にすることが多いです。文量として、最低でも1000字、通常は2000字程度を書くことが多いです。別紙にする場合、パソコンで作成したものを印刷して提出することもできます。
以下、記載すべき内容についてポイントを解説します。
知り合ってから、結婚に至るための経緯
原則、時系列で書きます。日時については、できるだけ具体的に書きます。どうしても思い出せない場合、下記のように書いてください。
- 〇〇年〇月〇日、私たちは、〇〇(場所)で知り合いました。当時私は〇〇で〇~
- 〇〇年の秋、私たちは〇〇(場所)で知り合いました。当時私は〇〇で~
交際中のエピソード
夫婦で出かけた場所、一緒に過ごした思い出などを、具体的に書いてください。臨場感たっぷりに書くことで、交際の信憑性を説明でき、審査官も安心して配偶者ビザを許可できます。
この時、第三者が読んでもわかるように、適宜補足説明も入れてください。
双方の両親、親族との面談
双方の両親や親族との面識がある場合、その回数、その時のエピソードなども書くとよいです。片方の両親との面識がない場合、その理由についても説明しておきましょう。
夫婦の共通言語
普段、夫婦の会話で使用している言語について説明します。質問書3~4ページ目にも同様の質問がありますが、なぜその言語を使用しているのかも含めて補足説明したほうが分かりやすいです。
両国での婚姻届、婚姻証明書について
これは、質問書にはない項目ですが、審査の根幹をなす説明ですので、必ず記載しておきましょう。特に、日本の婚姻証明書(戸籍謄本)しか発行されない場合、その理由と経緯についても説明しておきましょう。
日本での生計安定性について
通常は、日本人側の現在の仕事内容、年収などについて、簡単に記載します。自営業者の方についても、確定申告上の年収が相応あれば問題ないです。
質問書3ページ目
紹介者がいる場合のみ記載します。
現在、紹介者と連絡をとっていない場合は、その旨を記載しておけば大丈夫です。ただし、いつ頃から連絡をとっていないのか、連絡をとらなくなった理由も記載しておくと、不要な誤解を招かずにすみます。
質問書4ページ目
質問3の(3)と(4)、つまり語学レベルについては、自己申告で構いません。経験上、どちらかの語学力が、「筆談程度」と「日常会話程度」の間であるケースも多いのですが、その場合は、両方にチェックをし、「この中間のレベルです」とコメントを付記しておけば大丈夫です。ただし、この根拠を追加で求められることもありますので、正直に書いてくださいね。
質問書5ページ目
このページについては、特に難しい部分はないですね。ありのまま記載しましょう。
来日既得については、パスポートの出入国スタンプを見ながら記載します。もしスタンプがない場合、覚えている範囲で、「〇年〇月頃」といった記載をしましょう。
質問書6ページ目
質問9と10の退去強制(強制送還)については、正確に記載してください。間違っても、隠そうなどとは思わないでください。外国人の出入国記録は、政府が厳重に管理しており、虚偽の記載はすぐに判明します。
なお、本人が覚えていないといった場合、当事務所の経験上、退去強制歴がある場合が多いです。
退去強制の過去がある場合、5年、10年、永年のいずれかで、日本への入国はできません。つまり、原則、ビザも許可されません。普通に申請しても、不許可となりますので、お近くの専門家(ビザ専門の行政書士等)に相談されることをお勧めします。
質問書7ページ目
このページについては、特に難しい部分はないですね。ありのまま記載しましょう。
質問書8ページ目
このページについても、特に難しい部分はないです。ありのまま記載しましょう。
最後の署名は、日本人の署名です。間違えないようにしましょう。
法律要件に沿った記載が必要
審査官は、ビザ審査の際、入管法、法務省省令、在留資格審査要領、法務省作成のガイドライン、先例集、法務省による通達などを見て審査します。
在留資格申請(ビザ申請)を専門とする行政書士や弁護士は、こうした書類全てを手元に置き、参照しながら質問書や質問書別紙(理由書)を書いていきます。もちろん、当事務所でもそうしています。
はじめてビザ申請をされる場合、こうした法律文書を読み込み、それに沿った内容を記載していくのは結構大変です。配偶者ビザ申請の書類作成や手続きをプロに任せたい方は、当事務所までお問い合わせください。
この記事を作成した人 ワールド行政書士事務所