行政書士が解説!日本人の配偶者ビザに必要なスナップ写真とは?

国際結婚をして、ご夫婦が日本で暮らすためには、ビザ(在留資格)が必要となります。もともと何らかのビザをもっている場合、そのままでもよいのですが、国際結婚を機に、「日本人の配偶者等」ビザ(以下、配偶者ビザ)を取得する方が多いです。

この配偶者ビザを取得するためには、いろいろな書類を用意して、申請する必要があります。その申請に必要な書類の中に、「夫婦のスナップ写真」というものがあります。これだけでは分かりにくいですよね。

この記事では、下記のようなことを解説していきます。有料相談級の情報ですので、最後まで読んでくださいね。

  • どんな写真が良いのか?
  • 何枚くらい必要なのか?
  • いつ頃の写真が良いのか?
  • 誤解を招く写真とは?
  • 審査官は写真のどこを見ているのか?

では、具体的に解説していきます。

なぜ、配偶者ビザ申請時にスナップ写真が必要なのか?

まずは、基本を押さえましょう。

夫婦のスナップ写真が求められている理由は、ずばり、「夫婦の交際および結婚の信憑性」の判断材料となるからです。もちろん、スナップ写真だけで判断されるわけではありません。しかし、その他の提出書類の多くは、文章だけの書類です。スナップ写真を提出することで、文章では表現できない夫婦の愛情や絆をリアルに示すことができます。

たかが写真ですが、されど写真です。

私は、これまで、2000組以上の国際結婚カップルのスナップ写真を見てきましたが、数枚の写真を見るだけでも、ご夫婦のこれまでの歩みや交際の深みがある程度わかるようになってきました。おそらく、審査官はそれ以上に多数の写真を審査していますので、数枚の写真からたくさんの情報をつかんでいると思われます。

ですから、提出する写真については、軽い気持ちで選ぶのではなく、慎重に検討したほうがよいです。自分達にとってはベストショットであっても、配偶者ビザ審査の視点から見ると、マイナス要素のある写真であることもあります。

配偶者ビザ申請時に提出するスナップ写真 基本ルール

それでは、まずは、基本ルールを抑えましょう。

知り合った当初~直近に撮影した写真を準備する

原則として、知り合った当初もしくは交際し始めた頃の写真、デートの時に撮影した写真、ご両親との顔合わせ時の記念写真、結婚式の写真、最近の写真などが、それぞれ複数枚あればベストです。

しかし、現実的には、なかなか全部を揃えるのは難しいと思います。交際当初は、写真を撮っていなかったという話もよく聞きます。その場合は、それで構いません。配偶者ビザ申請時に提出する交際経緯説明書(もしくは質問書)にその時期の状況について文章で詳しく書くことで、この点は解決できます。

2ショット写真だけでなく、両親や友人と一緒の写真も用意する

これも基本ルールですね。自撮りをしていると、どうしても2ショット写真だけになりがちですが、できるだけご両親やご家族、友人知人と一緒に撮影した写真も用意しましょう。

実家が遠方で難しい場合などは、SNSで会話しているスマートホン画像を撮影しても構いません。たとえば、LINEのビデオ通話の画面を介して、ご両親に紹介している場面などですね。いくら実家が遠いといっても、結婚相手を両親に紹介していない場合、あらぬ疑いを持たれます。

とはいっても、いろいろな事情から両親に紹介できないという止むを得ない事情もあると思います。最近多いのが、宗教2世の問題ですね。あるいは毒親といった問題もあります。こうした事情がある場合、その事情を説得力ある文章(審査官が納得する文章)で説明することで対策が可能です。単純に親が特定の宗教の信者だからという理由では認められません。このケースについては、当事務所でも何度か扱っているのですが、本当に皆さん苦労されています。苦労という言葉では軽すぎるくらい、本当に苦しい想いをされていますね。ただ、対策は可能ですので、信頼できる行政書士に相談なさってください。

撮影日と写っている人物との関係を書く

スナップ写真を提出する際には、撮影日と写っている人物が誰なのかを分かりやすく明記しておきましょう。

例えば、こんな感じです。

撮影日:2023年12月10日 左から、申請人、妻、妻の両親 妻の実家にて

あるいは、こんな感じでも大丈夫です。

撮影日:2022年夏 左から、申請人、夫、夫の友人達

特に記載ルールはありませんので、第三者がみて分かるようになっていれば大丈夫です。

審査官はスナップ写真のどこを見ているのか?

このテーマを詳しく書きすぎると、出入国在留管理局に怒られそうですが、ぎりぎり大丈夫かなという部分を書きたいと思います。

冒頭に申し上げたように、ほとんどの審査官は、毎日、国際結婚の夫婦のスナップ写真を見ています。その数はおそらく数万枚になるかと思われます。ですから、経験のある審査官ほど、数枚の写真をみれば、交際の信憑性に関して問題ないケースか、そうでないケースかすぐに判断できます。

これまで約15年、この仕事に携わってきた私の経験則ですが、審査官が疑義を持ちやすいケースは、下記です。

  • 撮影日が一時期に集中している(例えば、撮影日が特定の1週間だけ)
  • 2ショット写真だけしか提出されていない。
  • 自撮り写真ばかりのため、背景がほとんど写っていない
  • 夫婦の服装がいつも同じ(余計なお世話だとも思うのですが、客観的にみると「あれっ」て思うようです)
  • 知り合って間もない頃のデート写真であるが、外でジャージ等を着ている(まだ親しくないのに、そんな恰好で良いのか!?)

上記は一例です。これらについては、事情を詳しく聞いてみると、納得できる理由があることが多いです。ただ、それを説得力ある文章で説明するためには、相応の文章力が必要です。出入国在留管理法の考え方も理解しておく必要もあります。

我々行政書士に配偶者ビザ申請を依頼いただくと、格調高い文章を書いてくれる、代わりに申請に行ってくれるといったメリットがあります。

しかし、最大のメリットは、配偶者ビザ審査の根拠となる法律を分かった上で申請を進めることができるという点です。この違いは大きいです。

配偶者ビザのサポートの依頼を検討されている方は、初回相談のご予約をお申込みください。


この記事を書いた人 ワールド行政書士事務所

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