日本人の配偶者等ビザの更新の条件と必要書類
このページでは、日本人の配偶者等ビザを更新(延長)する条件、必要書類などを解説しています。また、早期に3年ビザ、そして永住者ビザを取得できるような対策も解説しています。
配偶者ビザの更新手続きは、在留期限の3ヶ月前からできます。万が一、在留期限が過ぎてしまうと、非常に面倒なことになりますので、早めに更新することをお勧めします。
日本人の配偶者等ビザ 更新(延長)の条件
日本人の配偶者等ビザを更新するためにはいくつか条件があります。基本的な条件は下記です。
離婚していないこと(必須条件)
当然ですが、婚姻状態が継続していることが必要です。婚姻状態は、戸籍謄本で証明できますが、ご夫婦で旅行などに行かれる際、お二人の写真を撮るようにしてください。今後の更新や永住者ビザ申請の際、提出を求められることがあります。
日本に住民票があり、日本に住んでいること(必須条件)
配偶者ビザに限らず、ビザというのは、日本に住む外国人に許可されるものです。特に日本人の配偶者ビザは、夫婦が一緒に日本に住むためのビザです。ですので、夫婦の住民票が日本にあり、実際に日本に住んでいることが必要です。
夫婦が同居していること(必須条件)
当然ですが、夫婦が同居していることが必要です。
納税義務を果たしていること
日本人の配偶者ビザの更新時には、住民税の納付状況が審査されます。なお、所得税や贈与税、相続税については、永住者ビザ申請の際に審査されます。
日本人の配偶者等ビザ 更新と永住申請の条件(目安)
配偶者ビザの更新をする際、何を重視するかで条件は変わってきます。更新さえできればよいのか、早く3年ビザが欲しいのか、最短で永住申請を狙うのかによって、対策も変わってきます。
※上記は全て目安です。
※現時点では、健康保険と年金についてはビザ更新に影響しませんが、今後、ビザ更新の絶対要件になる可能性があります。
日本滞在日数について
3年後の永住申請を目指す場合は、目安として1年の4分の3(年間270日)以上日本にいたほうが有利です。ただし、母国へ帰省して出産したなどやむをえない場合は多少考慮されます。とりあえず、更新だけできればよいという場合は、最低年間180日以上を日本で過ごしてください。
外国人が母国等に一時帰国する場合
外国人が一時帰国して、1年以内に日本に戻ってくる場合、特に何も手続きしなくて大丈夫です。もし、出産や育児などのため、1年を越えて日本を離れる場合、「再入国許可申請」という手続きを行う必要があります。
パスポートに再入国許可のスタンプ(もしくはシール)が押されるのですが、そこに、有効期限が書かれます。
有効期限は、現在所有している在留資格の有効期限と同じになることが多いです。
期限を超えた場合、日本に入国するための在留資格を取得しなおす必要がありますが、入院していたなど、やむを得ない事情の場合、期限を超えていても、日本に入国できる可能性があります。
健康保険料・年金の納付(永住申請のために必要)
永住者ビザの重点審査項目は、随時変更になるのですが、最近の傾向ですと、直近2年間についての健康保険および年金の加入は必須です。特に、外国人側が国民健康保険の場合、納付遅れにご注意ください。納付期限をすぎた後にまとめて納付しても、納付状況不良と判断されるケースが増えております。
また、扶養の範囲を超える収入がある場合(130万円以上)、3号扶養者から外れる必要があります。つまり、独自で健康保険や年金に加入する必要があります。これを怠ると、永住申請ではかなり不利になりますし、更新にも影響する可能性があります。
日本人の配偶者ビザ更新の必要書類
必要書類は、人によって異なりますが、最低限必要な書類は下記になります。 配偶者ビザを確実に更新するため、追加で提出したほうがよい書類もございます。 追加提出書類について詳しくお知りになりたい場合、当事務所での相談をご予約ください。
- 在留資格更新申請書
- 証明写真(直近3ヶ月以内に撮影したもの・4×3cm)
- 身元保証書
- パスポート(原本)
- 在留カード(原本)
- 戸籍謄本(3ヶ月以内発行のもの)
- 住民票(世帯全員分記載、3ヶ月以内発行のもの)
- 直近年度 住民税の課税証明書(市区役所で取得。年間所得、課税額が記載されたもの)
- 近年度 住民税の納税証明書(市区役所で取得。未納ないもの)
- 夫婦が特段の事情により別居している場合→別居の理由、扶養状況、夫婦の交友実態等を説明した文書
- 直近1年間の世帯収入が低い場合→生計に関する説明書、預金残高証明書など
- 海外出国日数が長い場合→長期出国理由に関する説明書
配偶者ビザの更新 よくある質問
配偶者ビザの更新手続き中に出入国することはできますか?
配偶者ビザの更新手続き中に、出入国することも可能です。ただし、日本に戻ってくる期限には気をつけてください。原則、現在保有している在留カードに記載されている期限までに戻ってきてください。それが難しい場合、最悪でも、在留期限の2ヶ月以内には必ず戻ってくるようにしてください。この2ヶ月というのは、特例期間と言います。通常、悪意がなければ、特例期間内に戻ってくれば更新はできています。ただ、状況によっては、事前に行政庁との折衝が必要です。心配な方は、専門家に更新手続きを依頼されることをお勧めします。
配偶者ビザの有効期間を3年にするためには?
現行のビザ制度では、配偶者ビザの有効期間は、1年、3年、5年のいずれかとなっています。通常、配偶者ビザをはじめて取得した時は1年ビザ、次も1年、そして3回目の更新時に3年ビザ(あるいは5年ビザ)になることが多いです。3年ビザを取得できれば、他の条件(収入など)に問題なければ、すぐに永住者ビザを申請できます。例外ケースもありますが、ほとんどの方はこのパターンになります。
逆に、3回目の更新なのに、まだ1年ビザだった場合、必ず理由があります。配偶者ビザの場合は、夫婦の住民票住所が別である、世帯収入が低い、安定していないなどの理由が多いです。特に、扶養者が自営業の方の場合、書類上の年収が低いため、1年ビザしか許可されない方も多いようです。こうした場合、今からでもよいので、今後はしっかり確定申告して収入の安定性を上げていただき、ビザ更新することをお勧めします。収入が少ない理由をどんなに丁寧に説明しても効果はほとんどありません。
配偶者ビザの更新に必要な年収の目安はありますか?
1年ごとの更新でよい場合、年収はほとんど関係ありません。ご夫婦が婚姻状態であり、同居されていれば、1年ごとの更新は可能です。
3年ごとの更新、つまり3年ビザを取りたい場合、安定収入があることが条件となります。目安として、婚姻2年経過、扶養者側の直近2年間の年収が300万円以上あれば、おそらく3年ビザが許可されます。この状況で1年ビザになることは考えにくいです。
なお、夫婦共働きで、世帯収入が300万円以上あっても、3年ビザが許可されない場合が多いです。理不尽な話ですが、夫婦合算での収入よりも、どちらか一方(扶養者)の収入が安定しているほうが有利になります。
配偶者ビザの更新手続きを本人以外が行えますか?
在留資格の変更や更新、再入国許可などの申請は、本人もしくは申請取次者が行うことができます。申請取次者とは、申請取次行政書士、申請取次弁護士などです。当事務所も申請代行可能です。
夫婦が別居している場合、配偶者ビザの更新できますか?
ビザ更新時に別居している場合、別居の理由によって更新できることもあります。
単身赴任、病気治療などによる別居
単身赴任や病気治療など、やむを得ない場合、詳細な説明書とその証拠書類を添付することにより、「日本人の配偶者等の在留資格(配偶者ビザ)」の更新ができます。
離婚協議中
離婚協議中である場合、別居している期間や、離婚についての話し合いの状況を詳細に説明し、夫婦間で連絡を取り合ってることなどを客観的に証明することにより、配偶者ビザを更新できる可能性があります。詳しくはお問い合わせください。なお、夫婦間で連絡を全くとっておらず、夫婦の実態がない場合、更新するのはかなり難しいです。
離婚調停中、離婚裁判中
離婚調停の場合、調停成立または調停不成立、つまり調停が終了するまでの間は、配偶者ビザも更新できます。離婚裁判の場合、裁判所の判決が確定するまでは、配偶者ビザも更新できます。
その他、別居理由、国籍、夫婦の年齢などによって回答が異なります。状況によっては、更新できる場合もあります。
配偶者ビザの更新手続きは簡単ですか?自分達でもできますか?
前回のビザ取得から現在まで夫婦が同居されており、安定した収入があるなら、手続き自体は、難しいものではありません。ただ、簡単でもないです。
ご自身で手続きされる場合、書類を取り纏め、申請書を書き、安定収入に関する説明書を書き、ご夫婦で出入国在留管理局に2回(申請と受取)行くことになります。時々、補正(追加書類)があります。それらがご負担でなければ、ご自身でされてもよいかと思います。
この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一