日本人の配偶者等ビザ 出入国在留管理局での不交付理由の聞き方

在留資格の不交付説明時に持参するもの

必ず持参するものは、以下の3つです。

  • 身分証明書
  • 地方出入国在留管理局からの結果通知書
  • 提出した申請書の控え

その他持参した方が良いものは、筆記用具、スマートフォン、メガネもしくはコンタクトですね。

説明不要だと思いますが、一応説明します。

まず、筆記用具についてですが、審査官が説明してくれる不許可理由を書き留めておくために必要になります。キーワードだけでも、必ず書き留めるようにしてください。それから、数字を言われた場合、必ずその数字を書き留めてください。例えば、「預金があと100万円くらいあれば、結果が違ってきたかもしれませんね。」とか「夫婦があっている期間が最低30日はないと最近は許可していませんね」とか、そういったことを言ってくれる可能性があります。

あと、審査官からの指摘と、事実が異なっている場合もたまにあります。つまり、誤解された情報に基づき、不許可になっている場合ですね。

在留資格認定申請の場合、本人は海外にいることが多い為、入国管理局で直接不許可理由を聞くことは出来ません。ですから、通常は日本人夫、もしくは妻が、不許可理由をかわりに聞くことになります。ただ、本人でしか分からない情報もあると思います。審査官からの指摘に疑問を感じたら、可能ならすぐにスマートフォンでご本人に連絡し、事実関係を確認してください。相手の方にはいつでも電話に出られるように伝えておいてください。その場で事実関係がはっきりした場合、再申請の際に有利に働くことが非常に多いです。

また、審査官が審査資料をチラッと見せてくれることがあります。通常、我々に開示される不許可理由は100文字程度です。しかし、担当審査官が上司に報告する不許可理由は、400字~800字あるようです。説明担当審査官がその400字程度を読み上げてくれることもあります。審査官がちらっと見せてくれることもありますので、目が悪い方は必ずメガネをもっていってください。

それから、これは余談ですが、出入国在留管理局で審査官と直接話すときは、きちんとした格好で行った方が良いです。男性ならスーツに近い恰好ですね。もちろん服装によって対応に差が出ることはないはずなのですが、Tシャツに短パンの人ときちんとした格好の人とでは、審査官の心象も変わってきます。きちんとした格好をしていって損をすることはありませんので、出来るだけ服装にも注意しましょう。

在留資格の審査官に聞くべきこと

不交付説明を受ける時には、審査官に聞きたい質問を事前に文章にしておきましょう。具体的には、最低以下の事を聞いてください。

1.退去強制になっているか否か

退去強制になっているか否かは非常に重要な質問です。もし退去強制になっていれば、原則5年間は入国できません。長期退去強制になっていた場合、原則二度と日本に入国することは出来ない扱いになっています。この質問をした時に、審査官が本人にしかお伝え出来ませんと言った場合、その場ですぐに本人に連絡をしてください。

2.不許可理由

通常、不許可理由は審査官の方から話してくれます。ただ、ほとんどのケースでは不許可理由は複数あります。全ての不許可理由を話してくれる審査官もいますが、大きな不許可理由だけを話す審査官もいます。ですから、不許可理由を聞き終わった後に、他の理由がないかもしつこいくらい確認してください。例えば、相手国での婚姻証明書が無いという理由で不許可になった場合、審査官はそのことを説明してくれると思います。この場合、他の要素については一切審査されていない可能性が高いです。つまり、相手国での結婚証明書を取得して、この点を払拭できた場合でも、今度は交際状況について十分な説明がされていないとか、夫婦の写真が少ないという理由で、不許可になるということも多々あります。

相手国での結婚証明書が無いという理由で不許可になった場合、「婚姻証明書がない時点で、その他の要素は審査されていないのですか?」と聞いてください。審査官によっては「そうですね」と認めてくれる場合もあります。

3.再申請での許可可能性

これについては、親切に教えてくれる場合と、自分で考えてくださいと言われる場合があります。東京出入国在留管理局の場合、一人の審査官が一日30~40組の不許可理由説明をするそうです。説明を聞きに来る人には、色々な方がいます。誠実に聞いてくれる人もいれば、怒鳴る人、泣き崩れる人、逆切れして壁をたたく人など、様々です。同席していた子供たちが泣いてしまうケースもあります。審査官も心が折れる時があるようです。ですから、そういった相手の状況にも配慮しながら、真摯に聞くようにしてください。私の現場感覚ですが、再申請で許可可能性がある場合は、比較的丁寧に教えてくれます。そうでない場合は冷たいです。そういった空気感からも判断できる場合があります。

再申請での許可可能性が低いケース

どんなに腕のよい弁護士、行政書士がサポートしたところで、無理なケースですね。無理なケースと書くと語弊がありますが、限りなく難しいケースです。

具体的には、入管法5条に該当するケースです。入管法5条と検索すると、具体的な内容が10個ほど出てきます。要は犯罪歴のあるケースですね。もしくは長期退去強制に該当しているケースです。当事務所では、これらのケースについては、ご相談に応じておりません。無理なものは無理なので、サポートはできません。

再申請での許可可能性があるケース

再申請で許可の可能性がある代表的なケースは下記です。

相手国での婚姻証明書が提出されていないという理由で不許可になったケース

この場合はなんとかして相手国での婚姻証明書を用意してください。もし用意できない場合は、その理由を説明した文書を作成します。この婚姻証明書については、政府発行のもの以外であっても認められるケースもあります。例えば、現地国の公証役場から発行された婚姻宣誓供述書などですね。何が認められるかは、個別判断となります。

交際状況の十分な説明がされていないという理由で不許可になったケース

これもよくありますね。当事務所の経験上、この理由であればリカバリの可能性は十分あります。真実婚であれば、必ず許可になります。この点は行政書士事務所の腕と経験、発想力に結果が大きく左右されます。経験豊富な事務所であれば、ありとあらゆる国際結婚をサポートしています。みんながみんな、毎日チャットで話す訳ではありませんし、色々な愛のかたちがあると思います。その二人の交際を文章で説明し、在留資格該当性に沿った検討を行うにはノウハウが必要です。信頼できる行政書士事務所に依頼されると、よい結果になるのではないかと思います。


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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