日本人の配偶者等ビザ 収入条件・扶養者の収入が低い場合の対策

配偶者ビザを取るためには、扶養者の安定収入を証明する必要がある

日本人と結婚する外国人が【日本人の配偶者等の在留資格(配偶者ビザ)】を取得するためには、世帯年収も審査対象となります。例えば、日本人夫が会社員で、外国人妻が無職である場合、日本人夫の扶養能力が重要になってきます。子供の有無や居住地域などによっても異なりますが、夫婦(もしくは子供も含めて)が普通の生活を送れるだけの安定収入が必要です。そして、その収入を公的書類(つまり、市区町村役所から発行される「住民税の納税証明書・課税証明書・所得課税証明書」など)で証明する必要があります。

目安の年収としては、下記です。住む場所によって家賃相場や物価が異なるため、目安年収も異なります。

  • 茨城県在住、子供なし世帯・・・最低ラインで250万円程度(目安)
  • 東京都23区在住、子供なし世帯・・・最低ラインで280万円(目安)

ただ、上記は、絶対条件ではありません。

会社役員の方や自営業者の場合、ご自身の報酬を低くして、事業投資や運転資金に回されていることもあると思います。こうした場合、その経緯を詳しく説明し、扶養能力に問題がないことを客観的に説明、証明することで、収入条件をクリアできることもあります。この点については、ケースバイケースですので、個別にご相談に応じております。

なお、不動産を持っている(持家である)場合や、相当の預貯金がある場合は、年収が低くても許可されるケースがあります。

その他、配偶者ビザを申請するタイミングで、ちょうど無職になってしまった場合、定年退職している場合なども注意が必要です。この場合も状況によって、代用書類として何を提出すればよいかが決まってきますので、詳しくは個別のご相談をご予約いただければ幸いです。

日本人側が無職の場合、外国人配偶者が在留資格を取得できる?

日本人の夫や妻が無職(もしくは低収入)であっても、外国人配偶者のビザを取れるケースは結構あります。例えば、以下のケースです。

外国人側が安定した仕事を持っており、その収入を証明できる。

日本での仕事であっても、海外の仕事であっても、どちらでも構いません。ただ、その証明方法にはコツがあり、単純に入金の記載がある通帳を出せばよいといったものではありません。

②夫婦いずれかに相応の預金がある。

具体的な預金額については、住む地域、ご夫婦の年齢、お子様の有無などによって異なります。

③一時的に無職であり(転職活動中)、再就職の見込みを説明できる。

ただ、いずれのケースでも、単に簡単な証明や説明だけでは、認めてもらえません。証拠力の高い書類と明確な説明書を作成する必要があります。

説明が不十分である場合、不許可になったり、何度も何度も申請することになります。日本人側が無職の場合、専門家によるサポートを受けることをお勧めします。

健康保険や年金に加入していない場合、配偶者ビザを取得できる?

日本人側が国民年金や健康保険に加入していない場合、現行のビザルールでは、直接不利になることはありません。ビザの申請時に提出する必須書類の中に、年金や健康保険に関する書類は含まれてないからです。

また、ビザの更新についても、現行のビザルールでは、影響ありません。

ただし、永住者ビザ取得の場合には、原則、直近3年間納付していることが求められます。遅れて納付は不可とされます。遅れて納付している場合、「永住者ビザのために、あわてて納付したのだろう。永住者ビザを取得した後は、また納付しない可能性がある」と判断されるからです。実際、そういう事実が多数みられるようです。

ですから、結婚されて、日本人の配偶者等の在留資格(配偶者ビザ)を取得された後は、夫婦両方ともに、年金、健康保険に加入されることをお勧めします。

ただし、米国、イギリス、中国、インドなど、日本と社会保障協定を結んでいる国の年金に加入している場合、日本の年金に加入していなくても、永住審査に影響はありません。

身元保証人の責任とは

日本人の配偶者等、永住者、定住者などの在留資格を取得するためには、身元保証人が必要です。

入国管理法における身元保証人が保証する内容は、外国人の滞在費、(万が一強制送還になった場合の)帰国費、法令の遵守です。これらの保証事項について、身元保証人に対する法的な強制力はなく,保証事項を履行しない場合でも当局からの約束の履行を指導するにとどまりますが、その場合、身元保証人として十分な責任が果たされないとして、それ以降の入国・在留申請において身元保証人としての適格を欠くとされるなど社会的信用を失うことから、いわば道義的責任を課すものであるといえます。

身元保証人の責任についての法的強制力がない点については、法務省入国管理局のウェブサイトでも明記されております。

http://www.immi-moj.go.jp/tetuduki/zairyuu/qa.html (Q&AページのQ7)


この記事を作成した人 つくばワールド行政書士事務所 行政書士 濵川恭一

 

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